1. 『ザ・バースデー・ガール(The Birthday Girl)』 サラ・ウォード著

作中に登場する架空の島エルディで出会うのは、殺人の動機を持つ3人の女性です。この島は、ペンブルックシャー沖にあるコルディ島がモデルとなっています。この島にあるシトー会修道院は、夏になると観光客に開放されます。そして、このハラハラさせられる作品の重要な要素として登場する、架空の修道院を生み出すきっかけとなりました。

2. 『彼女の最後の休暇(Her Last Holiday)』 C.L.テイラー著

フランは、ゴゾ島のリトリート(静養施設)で2年前に行方不明になった妹ジェナの謎を解明するため、北ウェールズの田舎で行われる同じ会社のウェルネス・リトリートに参加します。物語の舞台はエラリ(Eryri:スノードニア山岳地帯)にしっかりと根ざしており、リトリートの参加者たちはホワイトウォーター・ラフティング・センターに出かけます。読者は、濡れることなく冒険を体験することができるでしょう。

3. 『見えないものはない(None So Blind)』 アリス・ホーキンス著

ヴィクトリア朝時代のウェールズを舞台にした、盲目の検視官ハリー・プロバート・ロイドを主人公とする「テイヴィ渓谷検視官」シリーズの第1作です。このシリーズは、アベラエロン(Aberaeron)とエグルイスル(Eglwyswrw)の間に位置する地域を舞台にしており、ニューカッスル・エムリン(Newcastle Emlyn)、カーディガン(Cardigan)、トレガロン(Tregaron)、ランピュター(Lampeter)、ランゼウィ・ブレヴィ(Llanddewi Brefi)の地が描かれています。この作品に登場する多くの建物は現在でも見ることができ、物語の中で被害者の遺体が発見された森を実際に歩くことも可能です。

サラ・ウォード著『The Birthday Girl』の表紙
CL テイラー著『Her Last Holiday』の表紙
アリス・ホーキンス著『None So Blind』の表紙
サラ・ウォード著『The Birthday Girl』、CL・テイラー著『Her Last Holiday』、アリス・ホーキンス著『None So Blind』

4. 『邪魔をしないで(Do Not Disturb) 』クレア・ダグラス著

カースティは、ロンドンでの辛い出来事から逃れるため、新たなスタートを切るチャンスに飛びつきますが、ウェールズの山岳地帯でゲストハウスを経営することは、果たして理想的な生活になるのでしょうか? ネタバレ注意:そうはなりません。この緊張感に満ちた、閉所恐怖症を引き起こしそうなスリラーは、バナイ・ブルヘイニオグ(Bannau Brycheiniog:ブレコンビーコンズ国立公園)を舞台にしており、作者が語るところによれば、架空の町はクリックハウェルから着想を得ています。

5. 『死者との対話(Talking to the Dead)』 ハリー・ビンガム著

南ウェールズ重大犯罪課を舞台にした人気シリーズ6作のうちの第1作で、フィオナ・グリフィス刑事巡査が主人公です。この緊迫感あふれる警察小説では、グリフィス刑事が女性と6歳の娘の残忍な殺人事件を捜査します。唯一の手がかりは、何年も前に亡くなった大富豪のプラチナ銀行カードです。

6. 『レクサム殺人事件(The Wrexham Killings)』 サイモン・マクリーヴ著

北ウェールズを直接訪れることができないのなら、「スノードニア殺人ミステリー」シリーズでこの地域を探索するより他に良い方法はありません。主人公は、かつてロンドン警視庁に所属していたルース・ハンター警部補です。マクリーヴの小説には、ポートメイリオン(Portmeirion)、ヴァーヌイ湖(Lake Vyrnwy)、アングルシー(Anglesey)、そして今作ではレクサム(Wrexham)など、この地域のさまざまな場所が登場します。

クレア・ダグラス著『Do Not Disturb』の表紙
ハリー・ビンガム著『Talking to the Dead』の表紙
サイモン・マクリーヴ著『The Wrexham Killings』の表紙
クレア・ダグラス著『Do Not Disturb』、ハリー・ビンガム著『Talking to the Dead』、サイモン・マクリーヴ著『The Wrexham Killings』

7. 『ラバーネッカー(Rubbernecker)』 ベリンダ・バウアー著

医学部生のパトリック・フォートは、授業で解剖している遺体から、学んでいる解剖学以上のものを見つけてしまい、危険に引き込まれます。著者のベリンダ・バウアーはカーディフで裁判所速記官としてキャリアをスタートさせ、2014年に最優秀犯罪小説賞を受賞した、優れたスリラー小説である本作のため、再びカーディフに戻りました。

8. 『ザ・ホテル(The Hotel)』 ルイーズ・マムフォード著

4人の学生が、ウェールズの崖の上にある廃墟ホテル「レイヴンクリフ(Ravencliffe)」を訪れますが、そのうちの1人は二度と戻りませんでした。10年後、残された3人が再びホテルに集まり、何が起こったのかを確かめようとします。舞台は、西ウェールズのカーディガン湾にある実在の「ザ・クリフ・ホテル&スパ(The Cliff Hotel and Spa)」から着想を得ています。このホテルは1800年代後半に、ペンブルックシャーの美しい海岸に「ニュー・ブライトン」を作るための壮大な計画の一環として建設されました。

9. 『ザ・ビーチ・ハウス(The Beach House)』 ベヴァリー・ジョーンズ著

南ウェールズ警察の元報道管理官であるベヴァリー・ジョーンズは、実際の犯罪に関する経験を生かし、このテンポの速いスリラーを描きました。物語は、グレースがオレゴン州の自宅に戻り、血の海の中に遺体を発見するところから始まります。この殺人事件は、17年前に彼女の故郷である南ウェールズで起こった出来事が基となっています。この地域に詳しい読者なら、有名な飛び石があるオグモア城(Ogmore Castle)や、恐ろしい民間伝承「ザ・キャップ・ゴッホ(The Cap Goch)」について聞いたことがあるかもしれません。

10. 『ザ・ラスト・パーティ(The Last Party)』 クレア・マッキントッシュ著

ウェールズを舞台にした素晴らしい犯罪小説がこれほどたくさんあるのに、私が自分の作品を書かないわけにはいきません。『ザ・ラスト・パーティ』は、ウェールズの刑事DCフィオン・モルガンを主人公とするシリーズの最初の作品です。舞台となるのは、イングランドとウェールズの国境が湖の中心を通る、エラリ(Eryri:スノードニア山岳地帯)の架空の場所です。元日の朝、凍てつく湖水に浮かぶ遺体が発見され、フィオンはイングランド人の刑事レオ・ブレイディと組んで殺人事件を捜査します。

ベリンダ・バウアー著『Rubbernecker』の表紙
ルイーズ・マムフォード著『The Hotel』の表紙
クレア・マッキントッシュ著『The Last Party』の表紙
ベリンダ・バウアー著『Rubbernecker』、ルイーズ・マムフォード著『The Hotel』、クレア・マッキントッシュ著『The Last Party』  

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