13万5千人以上の学生が、8つの大学と14の専門教育カレッジ、その他の教育機関に在籍しています。その中には、教育と研究の両面に卓越した文化に魅了された、170ヵ国以上からの留学生が含まれています。
ウェールズの大学には、非常に多岐に渡る専門分野が用意されており、例えばカーディフ大学のジャーナリズム学部は、その分野において英国最古の教育機関です。ロサンゼルスからシドニーまで、ニュースルームで活躍する卒業生たちは、「#CardiffTrained」のハッシュタグを使うことに誇りを持っています。
バンガー大学には、世界的に有名なバイリンガル研究センターがあり、ヨーロッパ最大の海洋科学部の1つであるオーシャン・サイエンス学部と肩を並べています。
ウェールズにおける研究の飛躍的進歩は、国内のみならず世界、さらには惑星間にも影響を及ぼしています。例えば、バンガー大学はマインドフルネス認知療法(MBCT)の先駆的な研究をしており、癌やうつ病、その他の病いを抱える患者を支援しています。
「今、メンタルヘルス研究の重要性が叫ばれています。私はこのムーブメントの一翼を担いたいと考えており、あらゆるプラットフォームを使って、人々にトラウマについて、つまりトラウマが幼年期の発育にどのように影響し、年齢を重ねてもなお影響を与え続けるのかについて、啓蒙していきたいのです。この10年から15年の間に、いくつかの研究を発表し、私と共通の関心を持つ教授と一緒に仕事をすることができればと思っています」
一方、スウォンジー大学のSPECIFICイノベーション・ナレッジ・センターでは、建物を自らの太陽エネルギーを生成・貯蔵できるミニ発電所に変換し、余剰分は国家の電力網へと返送する仕組みを目指しています。
「ウェールズにおける研究の飛躍的進歩は、国内のみならず世界、さらには惑星間にも影響を及ぼしています」
アベリストウィス大学では、コンピューター・サイエンス宇宙ロボティクス研究グループが火星での生命探索を支援してきました。Beagle2やExoMars 2020 Roverなどのプロジェクトに取り組んでおり、将来的な火星探索ミッションに向けても活動を続けています。
21世紀に見合った教育
ウェールズの学校や大学は21世紀の教育にも挑戦しています。そこには新しいことを取り入れたり、人と違うことをする自由があります。ウェールズの教育政策は英国政府より委譲されており、ウェールズ議会が適用法の制定に責任を持っています。これはウェールズの教育制度が、イングランド、スコットランド、北アイルランドの教育制度とは異なることを意味します。
大きな違いの一つは、学校でウェールズ語を話す機会があることです。プレイグループと保育園は幼児がイマージョン教育を通じて言語を学ぶ手助けをし、すべての生徒は16歳までウェールズ語を習います。自身が流暢なウェールズ語を話すことができなくても、より多くの親が子どもにウェールズ語での教育を選択するようになっています。現在では、全ての小学生の約4分の1が、ウェールズ語で教育を受けています。
ウェールズは詩と歌で有名な国です。創造性は教育の核心です。学校のオーケストラや大衆演劇グループから、1945年にその分野では世界で初めて設立されたウェールズ国立青年オーケストラのような権威ある団体まで、芸術文化に溢れています。 エイステッドヴォッド—ウェールズ語の文化の祭典 —は多くの学校で定期的に開催されており、生徒たちに歌や詩、演劇を、演奏または演技の披露を通して共有することを奨励しています。
「ウェールズにはたくさんの城がありますが、象牙の塔はありません。教育はそれ自体が尊ばれるべきものであり、社会への利益還元のためにも大切にされるべきものなのです」
スポーツに関しても同様です。学校は生徒に幅広い参加を促し、生徒自身が優れているものを見つけた際には、その卓越性を育成します。それは、時に目覚ましい成功を収めることもあります。カーディフのウィットチャーチ高校が、ウェールズとレアル・マドリードのサッカー選手であるガレス・ベイルと、ツール・ド・フランスの優勝者であるゲラント・トーマス、そしてウェールズとブリティッシュ・ライオンズのラグビーキャプテンであるサム・ウォーバートンの母校であることは言うまでもありません。
ウェールズには誇るべき教育遺産があります。カーディフ中央図書館の礎石に、「図書館は私たちに力を与えてくれた」というシンプルな格言が刻まれています。これは、ウェールズ出身のロックバンドであるマニック・ストリート・プリーチャーズの曲「A Design for Life」の冒頭の歌詞で、ウェールズではすべての人にとって教育が重要であるということを表す格言です。
NHS(英国の国民保健サービス)の父であるアネイリン・ベヴァン(Aneurin Bevan)は、自らの早期教育はトレディーガー労働者研究所の図書館で培われたと語りました。そして、バンガーに大学を創設する計画が立てられると、農民や採石業者を含む地元の人々からの自発的な寄付によって直ちに資金が提供されました。
ウェールズにはたくさんの城がありますが、象牙の塔(学者が研究に没頭し、現実社会と疎遠になること)はありません。教育はそれ自体が尊ばれるべきものであり、社会への利益還元のためにも大切にされるべきものなのです。
Study in Walesのサイトでウェールズの大学教育についてさらに学びましょう。