メナイ海峡で最高の貝を採るバンガーのムール貝の漁師から、トヨタのディーサイド・エンジンプラントで、1日1,300基のエンジンを生産する高度な技術を持つ技能者まで、ウェールズでは優れた人々が素晴らしい仕事をしています。
野心には事欠きません。スウォンジーの企業であるマリン・パワー・システムズを見てみましょう。ここは、その名前が示す通り海洋の事業を行っている会社です。波の力をクリーンで手頃な価格のエネルギーに変えることができる装置「ウェーブサブ」を開発しています。
「将来、ウェールズで最も大きな企業はどこかと聞かれた時、私たちの名前が挙がることを望んでいます。」と同社の共同創設者であるギャレス・ストックマン博士は語ります。「私たちは、低炭素の未来への道を切り開くため、何千人もの雇用を創出したいと考えています。それは十分に可能だと信じています。」
ウェールズには、石炭、製造業、重工業を中心とした誇るべき産業遺産があります。18世紀から19世紀にかけて、スウォンジーは世界の銅の首都であり、その最盛期にはイギリスの銅製錬能力の90パーセントが「コッパロポリス(Copperopolis)」として知られる町から20マイル(約32キロ)以内に集中していました。近くのラネッリも同様の理由で「ティノポリス(Tinopolis)」として知られており、そのことを記念して、パーク・ア・スカーレッツ(Parc y Scarlets)のラグビー場のゴールポストの上には、今もブリキの鍋が置かれています。
ウェールズの産業拡大を支えた革新と情熱は、今も強く息づいています。輸出は増加傾向にあり、2018年6月までの1年間で166億ポンド、前年から7億ポンドも増加しました。雇用率は現在74.2%で、前年比で1.6ポイント上昇しています。エアバス、ソニー、ジェネラル・ダイナミクスなどの多国籍企業は、私たちの高度な訓練を受けた労働力に頼っています。
優れた人材の誘致と育成は、33か国で保険、リスク管理、コンサルティング事業を展開する会社であるギャラガーにとって、最優先事項でした。ラントリサントにあるギャラガーのオフィスは、主に政府助成金の支援を受けた学習プログラムと実習制度で高い評価(および業界賞)を受けています。
Mike Jones, Regional Managing Director, Gallagher「私たちのすぐ傍には、素晴らしい人材の宝庫があります。」と地域マネージングディレクターのマイク・ジョーンズ氏は言います。「ウェールズ政府の支援により、ウェールズ特有の高い労働倫理を持つ誠実な労働者を引き付けることができ、これは私たちの価値観と非常に良く調和しています。」
ウェールズには良好な交通基盤があり、さらに改善されています。人々をある場所から別の場所へ運ぶのは、鉄道網を再活性化するという野心的な計画を実行している、トランスポート・フォー・ウェールズの責務です。スマートチケット・システム、新しい路線、そして平日の運行サービスを29%増加させる計画が2023年までに実施される予定です。
ウェールズ政府は、あらゆる分野の企業の支援に積極的に取り組んでいます。その経済行動計画は、公共投資は単に成長と生産性を刺激するだけでなく、ウェールズをより公正で競争力のあるビジネス環境にするという、社会的目的を持つ必要があるという原則に基づいています。
小さな国であることにも利点があります。政府の意思決定者へのアクセスが容易で、迅速に決定を下すことができます。カーディフ・ベイのライフサイエンス・ハブのような取り組みは、適切な人材を一つの場所に集める手助けをし、業界全体に利益をもたらします。
「それは私にとって、突然のひらめきでした。」と、ニューポートに拠点を置き、革新的ながん治療を提供するプロトン・パートナーズ(Proton Partners)のCEOであるマイク・モラン氏は語ります。「ライフサイエンス・ハブに行った時、コーヒーマシンの周りや、机の周りで交わされる会話の多さに驚きました。ウェールズ政府がこの場所を頻繁に訪れ、ここを拠点に活動し、対話にオープンであるという事実は、まさに、共同事業の機会があることをはっきりと示しました。」
サステナビリティ(持続可能性)はこれらすべての革新の中心であり、法律にも明記されています。ウェールズは、世界で初めてフェアトレード国家と認定された国であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を認識した法律を制定した最初の国でもあります。
これは、ウェールズが21世紀の課題に対応し、公正で包括的、かつ持続可能な経済的未来を築くために、あらゆる企業と協力する準備が整った国であることを示しています。