ウェールズの国旗は、緑の大地と白地(あるいは国章の長ネギの色彩とも言われる)を勇ましく進む赤いドラゴン。連合王国である英国の国旗(ユニオン・ジャック)は、構成する各地域の旗、すなわち、イングランド(白地に赤の十字)・スコットランド(青地に交差した城の斜線)・北アイルランド(白地に交差した赤の斜線)の3つの旗が合成されています。ところがこの国旗が誕生した時には、すでにイングランドがウェールズを統合していたため、ウェールズの旗は含まれておりませんでした。アーサー王の物語に登場する伝説にも救世主として登場、そしてチューダー王朝の始祖ヘンリー7世が掲げた国旗でもあったレッドドラゴンの旗は、1959年、エリザベス2世女王陛下により、正式にウェールズの国旗に制定されました。
太古の昔より大自然の恵みを享受してきたウェールズの大地。北・西・南側の3方を海に囲まれ、東の南北はイングランドとの国境が縦に走ります。全土が1400キロメートルに及ぶ遊歩道(内1200キロメートルが海岸遊歩道)で繋がり、延々と伸びる砂浜と断崖絶壁、森林や渓谷、野花の絨毯の丘や遺跡や古城、息を飲むような景観に溢れ、多くの野生動物・野鳥が生息しております。
温暖な気候に恵まれ、農牧業が盛ん。石炭・スレート・ウェルシュゴールドなど希少性の高い鉱物資源が産業革命の時代を支えました。
「ウェールズ」という呼称は、ウェールズを侵攻したアングロ・サクソンの人々がつけた呼び名で、「異邦人」という古語に由来。これに対し、ウェールズ人は、自身をウェールズ語で「カムリ/Cymru(同胞・仲間)」と呼んでいます。美しい風景に恵まれているという価値だけでなく、何世代にもわたり生活を営んできた、愛国心溢れる民族の深い歴史と文化、言葉、音楽、芸術の伝統がこの国の真価であり、ウェールズの国そのものがケルトから引き継がれている「文化遺産」です。ヨーロッパ最古の言語と1つと言われているウェールズ語の文化・教育は今も政府により大切に引き継がれ、ウエールズの小学校から全員がウェールズ語の授業を受け、2つの公用語を習得しております。
ウェールズの歴史概要:
先史時代 ケルト系ブリトン人が居住 1C頃 ローマ人の支配下に
5C ローマ支配が終わり小部族が乱立。アングロ・サクソン人がイングランドを支配。
アングロ・サクソン人のイングランドの戦いが激化
1066 イングランド王ウィリアム1世が進入
1201 スウェリン・アップ・グリフィスがウェールズ全土を支配
1277 エドワード1世がウェールズ討伐を実施。イングランドの支配下に。
1404 オワイン・グリンドゥールがイングランドに反旗を翻し、マハンレスにウェールズ最初の
議会を設立。
1485 ウェールズ人の血を引くヘンリー7世がイングランド王に
1536 イングランドと合併
1955 「カーディフ」がウェールズの首都に制定される
1959 ウェールズ国旗制定(エリザベス2世女王陛下により)
1999 ウェールズ議会政府発足(国民投票により)
ウェールズ概要
- ウェールズ 人口:約300万人
- 南北:250km/東西:90km(四国とほぼ同面積)
- 北・西・南3方面を海洋に囲まれ温暖な気候
- 首都カーディフ 人口 335,000人
- 3つの国立公園 (国全土の約2割を占める)
スノードニア国立公園(北)/ブレコン・ビーコンズ国立公園(南東)/
ペンブロークシャー国立公園(南西))
- 海岸遊歩道 (1200km) /ウェールズ遊歩道(1400㎞)
- 公用語 英語/ウェールズ
- 7つの国立博物館
- 6箇所の世界遺産(内4つは北ウェールズ古城群)
- 641の古城
- 国際星空保護地区(インターナショナル・ダークスカイ・リザーブ)認定
ブレコンビーコンズ国立公園・スノードニア国立公園
- 国技:ラグビー
- 国の楽器:ハープ
- セント・デイヴィズデイ;3月1日
- 国歌:Land of my father(我が父祖の地)
- 国家のシンボル: ウェルシュ・リーキ(西洋長ねぎ)
- 国花:Daffodil(黄水仙)
日本とウェールズの深い関係
日本とウェールズの絆の深い歴史の中に、明治時代初期、1860年代に日本で初めて鉄道に、南ウェールズで生産された製鉄が使われたという事例があります。また50年以上にわたり、日本企業により投資がウェールズの経済に多大に貢献、現在でも50社がウェールズへの投資を継続しております。ウェールズでも日本のコミュニティが成長し、カーディフには英国で最大の日本人学校が運営されています。日本でのウェールズ人のコミュニティもまた、積極的な活動を展開しております。
(セント・デイヴィズ協会Web-site: https://www.facebook.com/StDavidsSocietyJapan/)
人と人との繋がりからさらに文化交流にも深く広がっております。2019年10月には日本の兵庫県姫路城と北ウエールズのコンウィ城、興味深い歴史と文化を持つ2つの異国の世界文化遺産同志が、歴史的に初めての姉妹城提携を実現しました。2019年日本でラグビーワールドカップ開催された折りには、北九州ミクニワールドスタジアムで来場した15000人のファンを含む大勢のサポーター達が、ウェールズ国家をウェールズ語で全員が斉唱、日本国内のみならずウェールズ中、また世界中のウェールズ人に感動を与えました。熊本、大分などウェールズチームの試合会場となったホストシティでもお互いの文化の紹介や新しい発見、友情の誕生などレガシーとなり、未来へ持続する交流関係が誕生した機会となりました。
観光のデスティネーションとして
様々な時代の多様な建築技術や内装を誇る古城群や、レトロな狭軌鉄道を走る11もの復刻版蒸気機関車や登山鉄道、「不思議の国のアリス」の物語の故郷スランドゥドゥノ、スタジオジブリの作品のモデルとなったと言われる城郭・庭園・世界遺産の炭鉱遺跡などが、日本では知られておりました。
そして、近年では、日本旅行業協会(JATA)で旅行業界のプロ達からも、これからの旅行先として評価される機会にも恵まれました。英国から唯一選ばれた「ヨーロッパの美しい村30選」のコンウィ、「ヨーロッパの美しい街道20選」のプロジェクトでは、「不思議の国ウェールズ古城街道」と「イングランド田園街道から(ラグビーの聖地)カーディフ」のウェールズの2つの街道が受賞。
旅と美味しい食のプロジェクト「美味しいヨーロッパ100選」では、ウエールズから5つの伝統料理が選ばれました。ウェールズのラム料理、ラバーブレッド(岩海苔)ウェルシュ・レアビット(ウエールズ特製チーズトースト)、アフタヌーンティのお供、ウェルシュ・ケーキ、バラブリス。
北ウェールズでは、大自然の醍醐味と美しさをそのまま活用し、産先端の科学技術を駆使して近年積極的に観光プロモーションが行われてきました。歴史的資産の感動のみならず、アドベンチャーワールド、絶景と野性味溢れるアウトドアライフのスポットとして、幅広い世代が楽しめる世界に生まれかわっています。
ヨーロッパの行ってみたい旅行先、リピートしてみたい旅行先として認知度が向上、日本人の観光客の急な増加に一番驚いているのは、現地のウェールズ人かもしれません。
ウェールズ政府 日本代表事務所について
ウェールズ政府 日本代表事務所は、駐日英国大使館内にオフィスを構え、日本から対英投資(企業誘致)・国際貿易促進、観光、教育、文化・スポーツ振興、プレス・メディア対応等広報活動、国際交流活動等、多岐に渡る分野で日本・ウェールズ両国のビジネス関係構築に努めております。
ウェールズ政府 日本代表事務所 所在地
〒102-8381 東京都千代田区一番町1 駐日英国大使館
各セクションへのお問い合わせ先: e-mail: Japan-enquiries@gov.wales
日本語でご紹介するウェールズは下記SNSをご利用ください。ウェールズからのホットなニュース、日本で開催されるウェールズ関連イベントやフェアをはじめトリビア、観光、グルメ情報などをお届けします。
Twitter & Instagram: @walesjapan
事業分野
- 投資:
ウェールズへの投資(事業所、製造拠点開設・研究開発他) - 貿易商務:
ウェールズで生産された各事業分野の製品を日本市場へ輸入・ご紹介他 - 観光:
日本旅行業協会(JATA)他関連機関と連携。ウェールズへの観光を推進他 - 教育・文化・スポーツ振興:
留学促進・大学間連携・文化&芸術交流・スポーツ振興他 - 広報(プレス・メディア対応):
SNSでの発信・TV/雑誌/On-line他ウェールズ紹介・認知度向上他 - 国際交流促進:
日本全国の各自治体との各分野での連携他
補足: ウェールズ政府事務所の日本開設の歴史
ウェールズ政府は1997年の地方分権に関する国民投票を経て、1999年に設立されたウェールズ議会(National Assembly for Wales)の行政執行機関です。1985年に日本の窓口としてウェールズ開発庁の連絡事務所が東京に設立され、企業誘致を主たる業務としていました。後にウェールズ開発庁はウェールズ政府に吸収合併、担当業務分野が上記のように拡張されました。