私は美術大学出身ですが、本職はエンジニアです

私の情熱は以前、絵画と彫刻に向けられていましたが、実際に就いたのはエンジニアの仕事でした。芸術と工学にそれほど違いはありません。レオナルド・ダ・ヴィンチを見てください。優れた工業デザインは、純粋に機能的な原理だけでなく、視覚的な原理にも基づいています。そして、サイダー作りはまったく新しい美学です。私は、2012年に自分のエンジニアリング会社をたたんだので、サイダー作りは一種の退職後の趣味のようなものです。

サイダー製造者のアンディ・ハレット氏が、計量容器から別の計量容器にサイダーを注いでいる。
アンディ・ハレット氏の本職はエンジニア

私たちは生産したものを全て販売しています

この農場で生産できる量はまさに限界があり、それは年間10万リットルです。私たちが貯蔵できる果汁の量はそれだけです。大手企業はシロップを購入し、水で割ってサイダーを作りますが、私たちがその方法を使うことはありません。私たちはリンゴの果汁だけを使用しています。私たちはサイダーに対して、常に誠実さを保つよう努めています。私たちの農場は丘の上にあるので、生産規模はほぼ限界に達しています。

約8エーカーの土地で、約1,200本のリンゴの木を育てています

これらが完全に生産期に入ると、約30〜40トンのリンゴが収穫できます。しかし、基本的にこの農場は、羊の放牧のために設計された丘陵農場です。そのため、標高1,000フィートでは、栽培できるものに限りがあるため、他の地元の生産者からもリンゴを購入しています。私たちは、ウェールズ産のリンゴのみを使用しています。

ブラエンガウィ農場の木に実るリンゴ
銀色の大きな貯蔵タンクの 1 つからサイダーを試飲するアンディ・ハレット氏
サイダー農場であるブラエンガウィ農場で商品を試飲するアンディ・ハレット氏
アンディ・ハレット氏の農場にある 1,200 本のリンゴの木の 1 つ、商品を試食しているところと、南ウェールズのニューポート、ハヴォディラニスのブラエンガウィ農場にあるトラクター

私は趣味としてサイダー作りを始めました

子供の頃、兄と一緒に自家製ビールや生垣に実るベリーのワインを作っていました。何年にもわたって、潜在的な知識が蓄積されます。ある日、近所の人が500キログラムのリンゴを持ってきて、「サイダーを作ろう」と言いました。そこで、私たちは私の工房に行き、列車を線路に戻すために設計された大きな古い10トンのジャッキを見つけ、それを使ってプレス機を作りました。これまでのエンジニアリングの経験から、かなり上手く工夫して作ることがでました。最終的に、約80リットルのサイダーができました。当時は、良いサイダーがどのような味であるべきかは知りませんでしたが、私はドライで少しシャープな味がとても好きで、それはすべての条件を満たしていました。

賞を受賞し始めると、趣味が仕事になりました

ある古い友人が、私のサイダーを飲んで大絶賛し、さらに一緒に作ることになりました。誰かが私たちのサイダーをウェールズの全国コンテストに出品することを提案しました。そこで賞を受賞したので、私たちのサイダーがかなり良いものなのだと実感しました。私たちの趣味は少しずつ本格的になっていきました。専門知識が身につくと、新しいアイデアを次々と取り入れるようになります。

ブラエンガウィ農場で、リンゴの木と向き合うアンディ・ハレット氏とその息子。
アンドリュー氏に手伝ってもらいながら農場で働くアンディ・ハレット氏

私たちは季節に応じた働き方をします

私たちは、早い時期の果実を使ってドライなサイダーを作り、遅い時期の果実を使う時は発酵を遅らせて少し甘みを出します。単一品種であるダビネット種のリンゴをすべて1年以上熟成させ、約15,000リットルを貯蔵しています。これは私たちのクラウンジュエル(重要資産)として、あらゆる種類の異なったものとブレンドするために使用します。

私たちはまた、一部のサイダーをオーク樽で熟成させています

ウイスキー、ブランデー、ラム酒、或いはシェリーの樽を使用します。それぞれの樽が、サイダーに異なる風味を与えます。私たちは蒸留酒の風味を求めているのではなく、飲み手の興味を引く微妙な風味を求めています。それは時によっては、100年前の樽であることもあります。おそらくその樽には、最初にマデイラワインが、次にポートワイン、そしてスコッチウイスキーが入っており、そして、最終的に私たちの元に届くのです。少なくとも、これらの樽は非常に風変りな体験をしてきています。

ブラエンガウィのサイダーが描かれた樽。
ブラエンガウィ農場にある多くの樽のうちの 1 つからサイダーを試飲するアンディ・ハレット氏
農場にあるサイダー樽と、その樽の 1 つからサイダーを試飲するアンディ・ハレット氏

ブレンドは真の芸術です

それはまるで、画家になったかのようです。3つの原色があるパレットを使って、そこから無数の色を作り出すことができ、そのすべての細やかなニュアンスが最終作品を作り上げます。それは魂から生まれるものです。ある意味、芸術形態であり、他のことと同じで、上達したいならば練習しなければなりません。

私たちのロゴマークはシンプルに見えますが、実際には熟考しました

バラ色のリンゴの木や農家のモチーフは、サイダー業界では使い尽くされていると思います。そこで私たちは、人々が見てみたくなるようなものを市場に投入しようと考えました。それは、意図的に高級感のあるデザインにしています。同社の生産規模は非常に小さく、真の職人によるものなので、大量生産の余裕はありません。また、あからさまなウェールズのイメージも使用していません。旗やドラゴンもありません。瓶の裏には「ケアフィリ(Caerphilly)」と書かれているだけです。

ハレッツ・サイダーとプリントされた緑色の瓶を持つ手
木のテーブルの上のグラスにハレッツ・サイダーの缶を注ぐ手
ハレッツ・サイダーのシンプルなロゴ

瓶には私の名前が載っていますが…

なぜ私の名前には「T」が2つあるのに、サイダーには1つだけなのでしょうか?代理店のオフィスでデザインを決めていた時、私たちは「ほとんど完成しているけれど、何かがしっくりこないな」と思いました。そこで、彼らが「T」を一つ取り除き、私たちは「それだ!」と言いました。物事は、現実的に考えなければなりません。うまくいかないなら、こだわりすぎないことです。手放してみましょう。

前進させるかどうかは次の世代にかかっています

もし私たちの会社が大きく成長するのなら、それは自然な変化になるでしょう。誠実であり続けることが大切です。私たちが今のように敬意を得るようになるまでには、時間がかかりましたし、私はスーパーのブランドになるよりは、高級ブランドでいたいと思っています。息子のアンドリューは、2年前にこのビジネスに加わり、今ではとても優れたサイダー職人になっています。私は、自分のスタイルを彼に押し付けません。彼は自分で考えて決めます。実際、昨年のほとんどの生産は彼が行いました。彼は真剣に取り組み、良い仕事をしています。そして、ビジネスの継承を見ることができるのは、嬉しいことです。

「サイダー」と書かれた赤い配達用自転車と籐のかごに入ったハレッツ・サイダー
南ウェールズのニューポート、ハヴォディリニスのブラエンガウィ農場に置かれているヴィンテージスタイルの自転車に、サイダーの看板が貼ってある

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