遠い昔、遥か彼方の銀河系に1人の少女がいました。時は1980年代、彼女はひどいパーマに、歯には矯正器具を付け、彼女の魂と同じくらい黒く染めた色の髪をしていました。これは、その少女がどのようにして、スティールハウス・フェスティバルのファミリーの中でもっとも献身的なボランティアの1人になったのかという物語です。
彼女は、ウェールズの辺ぴな場所に住んでいました。何もすることがない、行く場所も見るものもないと思っていましたが、彼女と同じように思う人々は他にもいました。全員がひどい髪型というわけではありませんでしたが、共通するものがありました。それは音楽、具体的にはヘビーメタルでした。高校の談話室でも、スクールバスの中でも、メタルが流れていました。そして、時が経つにつれて、ロンドンやバーミンガム、ブリストルへの旅で、実際にメタルを見る機会が増えました。同盟が結ばれ、友情が築かれました。しかし、現実の生活が始まると、大学に進学する人、仕事を見つける人、結婚する人、子供を持つ人、そして連絡が途絶える人も出てきました。
そのひどい髪型の少女は私でした。そして、私が再び雑多な仲間を見つけるまで、20年もかかりました。2010年、父が亡くなったばかりの頃、私は人生に向き合うことに苦しんでいました。そんな時、驚いたことに、私の家から数マイルのエブ・ヴェールの近くで、初めてのメタル・フェスティバルが開催されると聞いたのです。「行ってみたら?」と母が言いました。「お父さんだって、あなたに行って欲しいと思っているわ。」でも、私は行きませんでした。あまりに深い悲しみの中で、自分も周囲の誰も楽しむことはできないだろうと思ったからです。
しかし、その後数ヶ月の間に、スティールハウス・フェスティバルの主催者たちは定期的なテーマナイトを始めました。私は恐る恐る参加してみました。そこに誰がいたと思いますか? 前述した遠い世界に行った旧友たちがいたのです。お酒が進み、音楽は素晴らしく、忘れていた友情が再燃しました。私たちはみんな主催者のことを知っていて、彼らを素晴らしい人たちだと思っていました。そして、不思議なことが起こりました。私は「手伝ってもいいですか?」と尋ねたのです。これは全く私らしくないことでしたが、私は存在の危機の真っ只中にいたので、その瞬間は、それが良いアイデアのように思えたのです。私は新たなスキルを披露したり、お金を数えたり、ナイトクラブに来た人たちにリストバンドをつけたりする仕事を任されました。私はそれをなんとかやり遂げ、翌年エブ・ヴェール近くの山で開催された第2回スティールハウス・フェスティバルでは、イベントスタッフをすることになりました。
私はフェスティバル期間中、チケット売り場にこもって過ごしましたが、それがとても楽しかったので、私は自分にぴったりの場所にたどり着いたと確信しました。私たちはみんな1つの小屋にぎゅうぎゅうに押し込められ、たった1つの窓から来場者に対応していました。その後、私たちはドアから外に飛び出し、限界まで立ち続けていました。そして翌年も、さらにその次の年も、何度も何度もボランティアに参加しました。今年で9年目に突入しましたが、私はまだここにいます。
ボランティア・スタッフのメンバーは変わります。毎年、新しい人が「手伝ってもいいですか?」と尋ねてきて、私たちは(たいてい!)「はい」と答えます。彼らの多くが毎年戻ってきます。実際のところ、なぜなのかはわかりません。話し合ってみましたが、やっぱりこれは奇妙だという結論に至りました。というのも、こんな条件だからです:
- よく雨が降る
- 結構寒いことが多い
- 水道がない
- 健全なレベルの口論が絶えない
- 週末はテントか(最近では)コンテナに住む
- 給料は支払われない
- 上から3つの理由(よく雨が降る、寒いことが多い、水道がない)で、時々人々が少し不機嫌になり、怒鳴られることもある
それでも、私たちはこの仕事が大好きです。来場者に何も不満を言わせたくないので、スティールハウスを、もし自分たちが参加するならこうであって欲しいと思うフェスティバルにしようと努力しています。だからこそ、ビールの価格を毎年維持するようにしています。だからこそ、チケット売り場には資格を持った「クッチ担当者(ハグする人)」を配置しています。だからこそ、駐車場からキャンプ場、そしてキャンプ場から会場まであまり歩かなくて済むのです。そして、あなたの車が立ち往生していたら引っ張ります。豊富な種類の食べ物や美味しいコーヒーを用意しているのもそのためです。さらに、この土地の所有者である農家と話したいのであれば、それもできます。基本的に、何か必要な場合、私たちはいつでもお手伝いする準備ができています。
警備員や、フードスタンドやバーの人たちを除けば、私たちはみんなボランティアです。そして、私たちが一生懸命働く単純な理由は、ここ以上にいたいと思う場所がないからです。
詳細については、スティールハウス・フェスティバル(Steelhouse Festival)のウェブサイトをご覧いただくか、 Instagramでスティールハウス・フェスティバルをフォローしてください。